【ネットショップのための薬事広告のイロハ】連載86 健康食品の体験談は合理的根拠になるか?

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”体験談とはいえ薬機法などのルールに則ることが大事”

Q: 健康食品の体験談を合理的な根拠にすることはできますか?  (健康食品通販会社担当者)


A: 今も昔も、広告の要素として「体験談」は重要なポイントを占めます。期待感をあおり、共感を呼びやすい結果、購買につながる可能性が高いからです。
 ただ、体験談だからといって何を言っても良いというわけにはいきません。健康食品なのであれば、薬機法・健康増進法・景品表示法を意識しなければなりません。
 それぞれのルールに則ってどのようなことに気を付けなければならないかを簡単に復習しておきましょう。

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(1)医薬品的な効能効果を標ぼうしたり、用法用量の指定をしていないか
(2)不正利用がされていないか(虚偽誇大でないか)
(3)合理的な根拠があるか
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 (1)は薬機法に抵触しないための考え方、(2)と(3)は景表法的・健康増進法的な考え方になります。
 薬機法に抵触しないための考え方は、極端に申し上げれば「医薬品的効能効果の暗示」にならなければ良く、乱暴な言い方をすると、体験談が捏造だろうと企業側の都合の良いものだけをピックアップしようと、そこは論点ではありません。
 一方で景品表示法や健康増進法的な考え方では、「お客さまに誤解を与えない」「うそを言わない」という点が問われるので、「医薬品的効能効果の暗示」をしているかどうかは関係がありません。
 ただ「医薬品的効能効果の暗示」にあたる内容は、〝商品そのものが持つ効果〟としての根拠を出すことが困難と考えるのが妥当ですので、薬機法に抵触しない体験談にしておけば、まず景品表示法や健康増進法的にも指摘を受ける可能性を避けられるであろうと考えられます。
 上記を踏まえ、「健康食品の体験談は合理的根拠になるのか否か」を考えます。


(続きは、「日本ネット経済新聞」10月20日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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