【中国EC大手トップが語る】(下) 京東集団 劉 強東 CEO/人口の92%に翌日配送

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講演する劉 強東 CEO(7月12日、都内で)

講演する劉 強東 CEO(7月12日、都内で)

 中国の大手ECサイト「JD.com」を運営する京東集団(ジンドン)の劉強東CEOは7月12日、都内で講演した。創業セールで2兆円を超えた実績を紹介しただけでなく、その背景にある物流やマーケティングについても解説した。「JD.com」は、中国の人口の92%に注文の翌日までに商品を届けることができる。関連会社のテンセントが持つSNSデータを連携したマーケティングにも強みがあるという。

 われわれの強みの一つは物流です。中国に260以上の物流センターがあり、2800の地域をカバーしています。現在は中国の99%の人口をカバーしていますが、年末までに100%に達する見込みです。直販における当日または翌日配送では、人口の92%以上に対応しています。
 昨年、iPhone7発売時の平均の配達時間は11分でした。事前にどの地域で何台売れるか分析して、発売前に学校や地域などに必要数を持っていき、売れたらすぐに配達できるようにしていました。他の店舗では購入までに9時間も長い列を作ったケースもあったそうです。

■平均43分で配達

 他にも物流のイノベーションがあります。5万店もの実店舗と協力し、JD.comで買い物した顧客が近隣の店舗で商品を受け取ることができます。こうした技術を用いることで、中国の大都市では平均配達時間が43分となっています。
 来年中には北京と上海で配送のための無人走行車を作ろうとしています。ロボットが配達するわけです。ドローンの研究もしています。中国の六つの省で免許を取得しています。このような新しい技術を応用できればより良い顧客体験を実現でき、コストもさらに下げることができます。

(続きは、「日本流通産業新聞」8月10・17日合併号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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