【ネットショップのための薬事広告のイロハ】連載94 広告で「特許」使う場合の注意点は?

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 広告で「特許」を書くことはできますか。できる場合には注意点を教えてください。
 (化粧品・健康食品通販会社担当者)


”化粧品は特許明記は認められない”


 化粧品等の薬機法の制限を受けるものと、健康食品や雑貨等の、薬機法の制限を受けないものとでは考え方が異なります。
 はじめに化粧品等の薬機法の制限を受けるものからご紹介しましょう。
 化粧品の場合、事実として特許を取得していたとしても、広告内での明記は認められておりません。
 医薬品等適正広告基準の【基準2】と【基準10】に該当する記載があります。
 たとえ事実であったとしても、特許について広告内で記載を行うということは、不可とされているのです。
 ただし、基準10の注意事項の記載の中に〝特許に関しては表示と取り扱いの相違に注意〟とある通り、表示と取り扱いに違いがあります。
 では、この「特許について」(正式には「特許の表示について」)の通知内容を見てみましょう。
◎特許の表示について
 昭和39年10月30日薬監第309号 厚生省薬務局監視課長通知
 従来、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療用具、それらの容器若しくは被包またはこれらに添付する文書等に「特許」等の文字を記載することは、当該製品の製造方法、効能効果等について誤解を招く恐れがあるので、薬機法第54条の規定に触れるものとして指導及び取り締まりを行ってきたが、「医薬品等適正広告基準」の改訂に伴い、今後この種の表示の取り扱いについては、次のように特許に係わる旨及びその内容を正確に記載する場合は差し支えないものと認めるので、その指導及び取り締まりに際して十分の配慮をお願いする。
    記
 「方法特許」又は「製法特許」の文字及び特許番号並びに特許発明にかかる事項を併記して正確に表示する場合。
 まとめますと、「特許」についての表示を広告の中で行うことは認められませんが、「容器若しくは被包またはこれらに添付する文書等」への特許の記載については、「『方法特許』又は『製法特許』の文字及び特許番号並びに特許発明にかかる事項を併記して正確に表示する」場合に限り認められる、ということになります。
 ただし、パッケージ上などの場合において、上記の条件を満たせば、特許の文字を大きく強調しても構わない…ということではありません。
 節度のある記載が求められますので、併せて注意が必要です。
 次に健康食品や雑貨などの薬機法の制限を受けないものについてです。

(続きは、「日本ネット経済新聞」8月3日号で)


《稲留万希子氏 プロフィール》
 東京生まれ。東京理科大学卒業後、大手医薬品卸会社に就職。在職中に出かけたアジア旅行で各地に根付いている東洋医学に興味を抱き、国際中医専門員、薬事法管理者の資格を取得して独立。数々のサイトをチェックしてきた経験を基に現在は、〝ルールを正しく理解し、味方につけることで売り上げにつなげるアドバイス〟をモットーとした「薬事法広告研究所」サービスを展開中。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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