【EC売り方研究所】<SEO動向>グーグルがアルゴリズム変更/キュレーション問題を受け

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 グーグルは2月3日、日本語の検索ランキングのアルゴリズムを改善したと発表した。一部キュレーションメディアの記事コンテンツが大幅にランクダウンするといった現象が起きている。SEOに詳しい識者によると「16年末の『キュレーション問題』の影響とみられる。日本語検索のみのアルゴリズム変更は異例だ」という。グーグルのアルゴリズム変更もインパクトのある出来事だが、ユーザーの検索行動も大きく変化している。本稿では、SEOの動向を追う。


 グーグルは、アルゴリズム変更について「今回のアップデートにより、ユーザーに有用で信頼できる情報を提供することよりも、検索結果のより上位に自ページを表示させることに主眼を置く、品質の低いサイトの順位が下がる。今回の変更の意図は、日本語検索で表示される低品質なサイトへの対策」(「ウェブマスター向け公式ブログ」より)としている。具体的な変更内容については公表していない。
 加えてグーグルでは「今回の変更でグーグルが認識する日本語検索の問題すべてを解決できるとは考えていない。検索品質向上のため、継続的にサイトの品質評価アルゴリズムのさらなる改善を行う」(同)ともしている。
 サイトの価値向上を支援するクロスフィニティ(本社東京都、加藤毅之社長)の松野亘エバンジェリストによると「今回のアルゴリズム変更には、ディー・エヌ・エー(DeNA)が運営する健康・医療情報メディア『WELQ(ウェルク)』に端を発した『キュレーション問題』が影響したとみられる。キュレーションメディアのコンテンツの順位に影響を与えるアルゴリズム変更だ」と解説する。
 キュレーションメディの記事コンテンツには、他のウェブコンテンツからのコピー&ペーストを基に内容を構成しながらも、テクニカルに書き換えているコピーコンテンツが散見された。「テクニカルなコンテンツ創出はある種、検索エンジンのハック行為に近い。16年末に『キュレーション問題』が顕在化したことを受け、グーグルが動いたということだろう」(松野氏)とみている。
 松野氏によると「検索エンジンには、サイト単位で評価する軸と、コンテンツ単位で評価する2軸が存在する。おそらくサイト単位ではなく、コンテンツ単位で品質チェックを行うクローラーが巡回しており、その結果、順位変動が起きている」とし、「すでに大幅にランクダウンしている一部キュレーションメディアの記事コンテンツもある。現在順位が変わっていないキュレーションメディアの記事コンテンツも、今後順位が落ちる可能性はある」と指摘する。

(続きは、「日本ネット経済新聞」2月16日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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