【変わる米国小売~NRF視察レポート~】第2回 商品売らない実店舗で顧客満足度向上

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む
HRFのセミナー

HRFのセミナー

 全米小売業協会(NRF)のイベント内で開催されたセミナーから、デジタル戦略を進めている小売事業者の事例を二つ紹介します。
 一つ目はメンズアパレル「BONOBOS(ボノボ)」の事例です。同ブランドは実店舗をショールームと位置付けてオムニチャネル化を推進していることで知られています。
 彼らは「店員へのデジタル武装戦略」を強化しています。接客スタッフにタブレットを持たせ、顧客情報や購入履歴などを基に、来店客の年齢や性別はどうか、どんな商品が欲しいのか、何を悩んでいるのかなどを踏まえて接客しています。
 ボノボでは約30店舗ある実店舗を「ガイドショップ」と呼び、〝ブランドを体験する場所〟と定義しています。予約をすれば、すべての商品を実店舗で待たずに試着することができます。
 実店舗には在庫を置かず商品の購入はタブレットを通してECで行う点が特徴です。顧客のストレスを可能な限り排除した「新しい買い物体験」を実店舗で提供しています。
 顧客データを統合することで、顧客との電話のやり取りなども一元管理できるようにしており、顧客は一般的な実店舗やネットでは体験できない〝接客〟に満足できると思います。
 タブレットを通して商品を販売することで店員の実績が明確化され、店員のモチベーション向上にもつながっています。効果は抜群で、顧客と店員の満足度が上がり、売り上げも上がったのです。

■コンテンツの個別化注力

 二つ目は大手小売りチェーン「KOHL,S(コールズ)」の デジタル小売り投資戦略について紹介します。コールズは1000店舗以上を展開し、リーズナブルな価格のアパレルやインテリアなどを総合的に販売していります。IT関連の人材を250人以上擁しており、特にパーソナライゼーションに注力しています。

コールズのECサイト

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ