【インタビュー】ネクストトゥエンティワン 大月亮太郎 副社長/増税後も売上増、実店舗とネットで100億円

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大月亮太郎 副社長

大月亮太郎 副社長

腕時計販売のネクストトゥエンティワン(本社東京都、大月浩司郎社長)は「ジャックロード」の名称で、東京・中野の実店舗と通販サイトを開設している。創業は87年で、約15年前にネット通販を開始。「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー」の腕時計ジャンル賞を何度も受賞する有力店舗となっている。ハイブランド品やアンティーク品など高級な腕時計の取り扱いが多いが、消費増税後も売り上げは順調に推移している。その理由や今後の方針について、大月亮太郎副社長に聞いた。

国内ブランド時計も取扱開始

-前期(15年4月期)の売り上げを教えてください。
 実店舗とネット通販を合わせて、売上高は約100億円でした。通販は約30億円で前期実績を上回りましたし、特に店舗はここ3年ほど中国を中心に海外からの観光客の需要が高まっており、前期比3割近くの伸び率でした。

-外国人観光客に向けて特別な販促は行っていますか。
 中国のSNSを活用して積極的に販促しています。店舗のある中野は、中国人観光客が家電などを爆買いしている新宿から近いのですが、団体客用のバスを停めることが難しいため、個人の観光客に訴求する必要があります。

-海外向けに通販を開始する計画は。
 意欲はありますが、関税の問題で2~3割ほど売価が上がってしまうことが障壁となっています。今後、海外向け販売の手法を検討し、中国やシンガポールなどのアジアに進出したいと考えています。

-国内の通販事業の状況は。
 今までの売れ筋は、オメガやタグ・ホイヤーなど、平均単価が20万円程度の時計で、販売数量では約4割を占めていました。しかし、材料費の高騰や為替レートの変動などを理由に、メーカーは年々定価を上げています。2年前に30万円だったものが50万円になっている時計もあります。ボーナスで買える価格帯だったものが40万円、50万円になると動きが鈍くなり、お客さまの構成がだんだん変わってきました。

-顧客の構成はどのぐらい変わりましたか。
 ボーナスが出たらぜいたくをして高級時計を買おうというサラリーマンだけでなく、今は株取引の収入などで利益を上げた人が100万円以上の時計を買う傾向にあります。一方で、3年ほど前からセイコー、シチズン、カシオといった、手頃に購入できる国内ブランド時計の取り扱いも始めました。3万円でも300万円でも送料は変わらないですし、接客時間も同じですので、国内品は今まであまり取り扱わなかったのですが、こういったラインの時計を最初の1本目に買う人たちが、いずれオメガやロレックスなど、さまざまな時計に興味を持つようになってくれるだろうと思っています。国内ブランド時計の販売は順調です。

-時計が好きな人は、ずっとそのメーカーを買い続けていくのでは。
 そんなこともないです。ほとんどのお客さまが最初は「この1本を長く使い続けよう」と考えますが、いったん所有して興味を持ってしまうと次が欲しくなります。10年、20年と同じ時計を使い続ける人はまれだと思います。時計はほかの商材と違って値打ちが下がらないため、資産として買う人もいます。そういったお客さまには資産価値がどれだけ高いかを説明しています。

(続きは日本ネット経済新聞 7月30日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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