【インタビュー】〈第7回全国ネットショップグランプリ「日本ネット経済新聞賞」を受賞〉花ひろばオンライン EC事業部 松井一弘店長/豊富な情報と見やすさを両立

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松井一弘店長

松井一弘店長

日本流通産業新聞社は4月11日、一般社団法人日本イーコマース事業協会(事務局大阪府、黒田英樹会長)が優れたECサイトを表彰する「第7回全国ネットショップグランプリ」(旧エビス大賞)において、花ひろばオンライン(本社三重県、高井尽社長)に「日本ネット経済新聞賞」を授与した。同社はガーデニングのECサイト「花ひろばオンライン」を運営している。「水のやり方」といった情報コンテンツの豊富さや、見やすいサイトデザインを両立している点を評価した。「花ひろばオンライン」の松井一弘店長に、サイトデザインのポイントと今後の展望を聞いた。

他社EC、雑誌を参考に

 ─ECサイトのデザインで参考にしているものは。
 11年に店長となった際、まずサイトの使いやすさと文章を改善する必要があると考えました。そこで、アパレルを中心とした他社ECサイトと雑誌を参考にしました。当時のECサイトは、商品の文章や全体のデザインが、サイトを初めて利用する消費者にとって利用しにくい内容だったからです。
 サイトデザインや苗の育て方といったコンテンツの整備は、幅広い顧客に訴求しているアパレルのECサイトや、雑誌の見出しのまとめ方や写真の配置といった要素を参考にしました。
 ─サイトデザインの変更はどのように進めましたか。
 ECサイトのアクセス分析を行い、閲覧者が多いページからデザインの変更に着手しました。アクセス数が多く、サイトの看板になっている部分を変えることで、利用者に刷新のインパクトを与える狙いでした。
 まず変更したのは、変化の分かりやすい「色」でした。当時は同業他社のサイトで、同じ色で花の写真が埋没するといった、色使いを意識していない設計の部分が多かったためです。
 ─サイト刷新の成果は。
 サイトデザインの変更によって、まず検索での表示順位が大きく改善しました。サイト内で数量限定商品を掲載する「掘り出しもの」による販促も反響がありました。
 ─「掘り出しもの」による販促とは。
 ECで取り扱う苗木類は工場生産品と異なり、年によって生産量や品質に差が生じます。そこで、在庫数が少量の商品を「掘り出しもの」としてECサイト内の別ページで販売しています。主に定番から外れた品目の販促を目的に企画しました。
 ただ商品をピックアップするのではなく、ECサイト内で「掘り出しもの」のページからしか商品情報の閲覧ができず、商品を選んだ私の目利きの理由や生産者の思いを伝える文章を盛り込み、通常の商品と差別化を図りました。
 「掘り出しもの」のページに顧客が定着した結果、掲載した商品の在庫期間は、最長で1週間ほどになっています。ECサイト全体では最長で半年ほどと見込んでいる中の結果です。

(続きは日本ネット経済新聞5月14日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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