【ベガコーポレーション 浮城智和社長】6月に東証マザーズに上場/上場で知名度向上、人材確保へ

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浮城智和社長

浮城智和社長

 「家具のロウヤ」を運営するベガコーポレーションは6月、東証マザーズに上場した。17年3月期における売上高は前期比17.6%増の98億600万円を見込んでいる。上場の狙いのほか、前期から開始したショールームや越境ECなどの新規事業などについて、浮城智和社長に聞いた。


 ーー上場の狙いは。

 「資金調達」「知名度の向上」「優秀な人材の採用」の三点です。EC事業単体では成長に限りがあるため、当初は事業の多角化を進めてから上場するというストーリーを描いていました。そこで12年、スマホ向けのゲームアプリ開発子会社、ヌービーを立ち上げました。
 ヌービーで増資を行って上場に踏み切るという構想だったのですが、ゲーム開発費用の高騰といった理由で今年1月、ヌービーを売却しました。ただ、EC事業が予測よりも大きく成長したため、まだ成長の余地はあると判断、EC事業単体で上場を決めたという経緯があります。
 ゲーム開発をやめた代わりに昨年10月、越境EC「DOKODEMO(ドコデモ)」を開始しています。調達資金を充当し、システム開発を進めている最中です。
 「ドコデモ」は家具以外の商品を販売しているため、取引先を増やして商品数を拡充しています。上場企業で知名度が高まれば、他社との提携もスムーズに進むでしょう。
 7月現在の従業員数は、正社員が約140人、パートを含めて約200人が在籍しています。会社の規模が拡大しているため、今後年間20~30人のペースで増員を図っていくつもりです。


 ーー今年3月、東京・恵比寿に初のショールームを開設しました。

 リアル店舗の全国出店を進める考えはありませんが、「本物を確認したい」というお客さまからの意見は以前から寄せられていました。
 昨年8月、楽天が開催したリアルイベント「楽フェス」に出店し、「この商品が安い」といったポジティブな意見をいただきました。当社は5人で接客していたのですが、5人すべてが「実際に商品に触れる場所を作るべきだ」と感想を漏らしたので、ショールームを開設することにしました。
 ショールームはレジ機能がないため、店頭に設置したタブレットで自社サイトにアクセスして、決済してもらう仕組みです。
 恵比寿駅周辺は家具・インテリアのショールームが多いエリアです。駅からは徒歩5分ほどの距離なので、この場所を選びました。


 ーーショールームでは、どんな商品が人気となっていますか。

 ソファ、ベッド、テレビボードなど、比較的単価が高い商品を中心に展示しています。また、季節商材の冷却マットや着る毛布なども季節ごとに入れ替えています。
 ショールームへの来場者は、1カ月に1000人近いです。ビルの2階という立地のため、フラッと来店する人はほとんどおらず、ECサイトでの告知を見てから来店する人が多いと感じています。


(続きは、「日本ネット経済新聞」7月28日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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