16年度版 ネット通販増収率ランキング/「ゾゾ」出展企業の成長目立つ/専門商材ECは「SEO」が鍵

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 本紙はこのほど、6月15日号に掲載したインターネット通販売上高調査(2016年度調査)に基づき、売上規模別増収率ランキングをまとめた。年商30億円以上の企業では、アパレル企業の躍進が目立った。年商30億円未満では、自転車やリフォーム、ガラケーなど専門商材を取り扱うECサイトを運営する企業が多かった。専門商材のEC企業では、増収の要因として「SEO強化」を挙げる声が目立った。


■年商30億円以上
《10社中6社がアパレル企業》
 年商30億円以上の増収率ランキングでは、10社中6社がアパレル企業となった。ランクインしたアパレル企業の増収要因をみると「ゾゾタウン」の存在感が大きくなっていることがうかがえた。アダストリアは、「ゾゾタウン」のクーポン活用が増収の鍵になったようだ。そのほか、TOKYOBASE(トウキョウベース)、三陽商会、アーバンリサーチも「ゾゾタウン」の販促に成功したという。
 「ゾゾタウン」の17年3月期における流通総額は前期比33.0%増の2120億9000万円だった。18年3月期の流通総額も、同27.3%増の2700億円と大幅な増加を見込んでいる。アパレルEC企業にとって「ゾゾタウン」は、引き続き成長エンジンとして機能していきそうだ。
 同ランキングの1位は、16年9月期に前期比100.0%増の50億円をECサイトで売り上げたMTGだった。同社は、健康機器「シックスパッド」や、美顔器「リファ」を中心に販売している。3桁の増収を達成できた要因について同社では、「テレビCMなど大々的なPR施策が奏功した」(松下剛社長)と振り返る。「当社の商品は、自社の運営するEC以外に家電量販店や直営店、テレビ通販などでも扱っている。お客さまの買い場はどこであってもいいと考えている。そんな中、ECでの売り上げが伸びるのは、テレビCMなどにより、商品ではなく企業の認知が高まったことにあるのかなと思っている」(同)と言う。


■年商30億円未満
《目立つ専門商材EC企業》
 年商30億円未満の増収率ランキングでは、専門商材EC企業のランクインが目立った。「SEO」「コンテンツ」の強化を増収要因に挙げる企業が多かった。

(続きは、「日本ネット経済新聞」7月20日号で)


*増収率ランキング≪表の見方≫ 
 ◆1面に掲載したネット通販増収率ランキング〈2016年度版〉は、本紙6月15日号に掲載したネット通販売上高ランキングを基に作成した。売上高を本紙が推定した企業は省いた。売上高30億円以上の増収率上位10社、同30億円未満の増収率上位10社を調査した。
 ◆売上調査対象は16年4月~17年3月に迎えた決算期実績。
 ◆ランキング内に記載した金額は百万円単位、100万円未満は切り捨てとした。増減率のパーセントは小数点第二位を四捨五入している。
 ◆増収要因は本紙記者による聞き取りや決算短信などをもとに調査した。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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