BtoB―EC市場/BtoB専用卸サイトが活発化/ネットショップによる仕入れが拡大

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 BtoB―EC市場が拡大している。経済産業省の統計によると、17年度の市場規模は「BtoC―EC」の約20倍にあたる291兆円に成長。メーカーや問屋、商社では、営業マンが企業に訪問して商品を提案する対面型から、EC企業からの商品の仕入れニーズの高まりに伴い、BtoB専用の卸サイトが増えている。BtoB―EC市場が拡大したことで、与信管理や代金回収といった支援企業によるサービスも充実。マーケティングツールを活用することで、さらなる拡大が期待されている。

 BtoB企業では、既存の営業マンによる対面営業が主体だが、増加を続けるEC企業に営業マンが訪問して契約する手法には限界がある。こうした法人向けに商品を卸売りする企業の商取引をEC化することで、対面営業では取引できなかった企業にもアプローチが広がっている。
 インテリア雑貨や家具、い草を素材にした商品を卸売りする萩原(本社岡山県、池浦伸治社長)のスリーアイ事業部は、カタログ総合通販や大手家具店といった取引先が多く、営業マンによる販売が主体だった。ルート営業担当の営業マンを12人配置。ギフトショーなどの大型展示会に出展し、小売店などと接点を持った後、営業マンが訪問して契約を取ってきた。こうした中で、年々EC企業との取引が増えていき、マンパワーでは対応が難しくなってきたことからEC卸サイトを立ち上げることに決めたという。
 ペット用品などを卸売りするラブリー・ペット商事(本社大阪府、橋本馨社長)は、ペット用品専門卸売りサイト「PETポチッと」を運営している。西日本地域でペットショップ専門店などを中心に卸売りを展開してきたが、約10年前から専門店向けの卸売りが減少。新たな市場を開拓することを目的に、3年前にBtoBサイト「PETポチッと」を立ち上げた。現在は従来までの西日本の卸売りに次ぐ、売り上げ規模に成長しつつあるという。
 営業マンは50人体制だが、営業拠点のない関東以北や九州地区での展開を行ってこなかったため、ECで取引先の拡大を図ろうと考えた。ECを導入したことで社内の業務効率も向上。老人介護施設といった新たな市場にもアプローチしている。
 創業70周年を迎え、東海地区のホームセンターなどにキッチン用品やインテリア雑貨などを卸売りする丸元商事(本社愛知県、坪井良明社長)は、ホームセンターなどへのルート営業が中心だったが、約10年前に社内でEC(ネット卸)での販路拡大の検討を始めた。テストマーケティングを経て本格展開に乗り出している。

(続きは、「日本ネット経済新聞」7月6日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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