東南アジアのEC市場/越境EC成功事例続々/タイでは最大モール「LAZADA」が鍵

ハラル認証を取得した化粧品「桃姫」の表示

 拡大する東南アジアのEC市場に、進出する日本企業が増加している。インドネシアでは16年10月にBtoB通販のモノタロウが自社ECサイトを開設。現地の工場などに向けて月商1000万円以上を売り上げている。タイでは、化粧品を現地ECモールに出品し、月に数百万~1000万円の売り上げを記録する日本企業が相次いでいる。東南アジア各国では、EC市場が拡大しており、国によっては市場規模が3年で3倍に拡大すると予想されている。日本商品の人気は高く、今後、日本からの越境ECが大きく伸長する可能性は高い。東南アジアの中でEC市場の規模が最も大きいインドネシアと、市場の成長率が最も高いタイについて事例を紹介する。

■インドネシアはモノタロウが好調

 インドネシアは、東南アジアで最もECの市場規模が大きく、15年の市場規模はJETRO(ジェトロ、日本貿易振興機構)調べによると86億ドル。ジェトロでは、20年には市場規模が約3倍の247億ドルに成長すると予想している。
 BtoB—EC大手のMonotaRO(モノタロウ)は、まだインドネシアのEC市場に参入したばかりだが、現地で順調に業績を伸ばしている。同社は、東南アジアの複数の国で自社ECサイトを開設しており、インドネシアでも16年10月に販売を開始した。17年1—3月期(第1四半期)のインドネシアだけのEC売上高は、4300万円だった。「16年10—12月期のインドネシアだけの売上高は公表していないが、1—3月期で大きく伸長した」(IRグループ)としている。
 サイトの言語は、英語と一部現地語に対応。6万点以上のアイテムを取り扱っており、手袋や安全靴など消耗品が多く売れるという。日本で製造した商品を、現地で在庫管理しながら販売しているという。MonotaROでは、17年12月期中に、インドネシアでの売上高2億円の達成を目指すという。
 バイクパーツをECで販売しているカスタムジャパン(本社大阪府、村井基輝社長)は、16年9月にインドネシアで自社サイトを構築し、日本から商品を発送するかたちで越境ECに取り組んでいる。現地でのバイクパーツの高い需要を見込んで進出した。ただ、ホンダなどの日本の有名ブランドは、現地に正規代理店を持っており、同社が現地で販売することはできない。同社にとっては、こうした点が課題だという。
 同社では、「『メード・イン・ジャパン』を打ち出せる、100ドル以上の高付加価値なPB商品であれば一定の需要が見込める」とみている。
 「ECサイトはBBの取引先を見つけるためのきっかけとしても機能している」と言う。実際にECサイトを通じて、実店舗で取り扱いをしたいという問い合わせが現地のバイヤーから寄せられたこともあったとしている。
 イスラム系の住民が多いインドネシアでは、商品がイスラムの教えに適合していることを保証する「ハラル認証」の取得も念頭に置く必要がある。
 アラブ首長国連邦の認証機関により「ハラル認証」が付与された化粧品「桃姫」を販売するPBJ(本社東京都)の小林美枝子社長は「認証取得商品ということで、徐々に認知が拡大しており、現地ECでの販売数も増加している。インドネシアの税関は厳しく、『桃姫』も認証を得るまでは、日本から商品を発送した1カ月後に、インドネシアの税関から送り返されてくるといったこともあった」と話している。

■タイはラザダが席巻

 タイのEC市場は、16年4月にアリババグループ傘下に入った、東南アジア最大のECモール「LAZADA(ラザダ)」が席巻している。ジェトロによると、ラザダの月間ビジター数はタイだけで3620万人に上るという。

(続きは「日本ネット経済新聞」6月8日号で)

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