ヤマト運輸/運賃改定は10月から/個人向けに新割引制度も

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 ヤマト運輸(本社東京都、長尾裕社長、(電)03―3541―3411)は5月19日、「宅急便」の新運賃を10月1日から適用することを明らかにした。同時に個人顧客を対象とした新たな割引制度も始める。4月28日には、9月中にも運賃を改定すると発表していた。しかし、今回は基本運賃の値上げとなるため、個人顧客も対象となる。新運賃の周知期間を考慮した結果、10月からの改定に変更した。

 「宅急便」の新たな基本運賃は、「60・80サイズ」が現行運賃に140円を加算。「100・120サイズ」は160円を加算、「140と160サイズ」は現行運賃に180円を加算する。
 このほか、「スキー宅急便」の運賃は現行の140サイズから160サイズに改定するほか、「ゴルフ宅急便」は現行の120サイズから140サイズに改定する。スーツケースの取り扱いは、実サイズを査定し、現行の上限サイズを120サイズから140サイズに改める。
 個人利用者向けの新たな割引制度も10月1日から導入する。まず、店頭端末の「ネコピット」で発行したデジタル送り状の利用で、荷物1個につき50円を割引。
 会員組織「クロネコメンバーズ」の会員が、発送時に直営店に持ち込むと、荷物1個につき50円を割り引く。現行も直営店への持ち込み割引は100円、「クロネコメンバー割」は運賃の10%を割り引いている。
 さらに新サービスとして、荷物の届け先を自宅ではなく直営店(宅急便センター)への直送を指定した場合、通常の「宅急便」運賃から荷物1個につき50円を引き下げる。
 すべての割引制度を活用して東京から大阪に60サイズの荷物を送った場合、現行の864円が、改定後は664円(ともに税込)で送ることができる。
 新運賃は「宅急便」の約9割を占める企業発の荷物が増えたため、デリバリー事業の構造改革と社員の働き方改革を実施するために改定する。個人発の荷物は、なるべく料金負担がかからないように配慮した措置とみられる。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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