オイシックス・大地を守る会が経営統合へ/EC、対面の強みを補完

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経営統合する2社の概要

経営統合する2社の概要

 有機・低農薬の食品を強みとする食品宅配・ECの2社が経営統合に向けて動き出した。オイシックスと大地を守る会(本社千葉県)は17年秋をめどに、合併により経営統合する。統合することで、生協以外ではらでぃっしゅぼーや(本社東京都)を抜いて、有機・低農薬の食品宅配・ECで売り上げ首位となる。食品宅配業界では、12年にNTTドコモが、らでぃっしゅぼーやを買収、14年には京阪グループがビオ・マーケット(本社大阪府)を買収している。経営統合する両社にはどのようなメリットがあるのか。過去の両社に対する取材をもとに探ってみる。

 オイシックスと大地を守る会が経営統合すれば16年3月期の売上高合計は約337億円となる。定期購入会員数は重複するものの、単純合計では22万人となる。それぞれのサービスは継続していく考えで、大地を守る会が行うカタログ販売や自社配送も維持される見通しだ。ここ数年では、NTTドコモや、京阪グループといった大手資本による食品宅配系の買収例があったが、一定の売り上げ規模がある同業者同士の統合は珍しい。
 経営統合に至った経緯について、両社は「16年10月中旬よりトップが日本の農業・オーガニック市場について話すなかで、統合する可能性やシナジーについて検討を始めた」と回答。「現場レベルで週2回のペースで打ち合わせを行い、トップ同士の打ち合わせを含めると週3回以上は密に議論を重ねてきた」と明かす。
 経営統合することで、両社にどのようなメリットがあるのか。
 15期連続で過去最高売り上げを更新するオイシックスは、大地を守る会が展開する「自社便」を活用することができる。業績は伸び続けている一方で、ヤマト運輸による配送料の値上げが課題となっていた。決算説明会でも、配送コストが利益を圧迫していることをたびたび説明してきた。
(続きは、「日本ネット経済新聞」1月19日号で)

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記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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