羽毛産地偽装問題/ECでも問い合わせが増加/業界団体は関係省庁に対応報告

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 羽毛布団に使用する羽毛の産地偽装問題が大手メディアで報じられ、話題となっている。日本羽毛製品協同組合(日羽協、事務局東京都、柳場弘会長)は5月10日、経済産業省および消費者庁を訪れ、これまでの対応と再発防止策を報告した。羽毛布団を販売する各ネットショップにも少数ながらユーザーからの問い合わせが届いており、EC業界にも影響が出始めている。
 朝日新聞は5月6日、ヨーロッパ産羽毛使用と偽って表示しながら、実際には中国産羽毛を使った多数の羽毛布団が市場に出回っている疑いがあると報じた。テレビ番組のワイドショーなどでも、フランス産羽毛布団の半数に産地偽装が疑われるどといった報道がなされ、話題が拡散した。
 日羽協が14年5月と15年1月に組合員らに対して出した「適切な産地表示の徹底について」という通達書面が、今回の報道の直接的なきっかけになった。同書面では、「国別輸入実績以上の欧州及び北米産羽毛原料表示の羽毛ふとんが市場にあふれているのではないか」と指摘し、「適切な産地表示を徹底頂きますよう、お願いを申し上げる」と呼び掛けていた。
 同書面は当初、日羽協のホームページ上でも一時公開していた。現在は、会員専用ページでのみ閲覧できるようにしているという。
 今回の報道を受けて、消費者庁と経済産業省は羽毛産地について協同で調査を開始した。消費者庁と経産省が調査した情報を両省庁で共有、法の執行は消費者庁が担当するという。違反者に適用される法については「ケースバイケースで答えられない」(消費者庁)としているが、主に景品表示法などの執行が念頭にあるとみられる。日羽協や(一社)日本寝具寝装品協会(事務局東京都、中村富夫事務局長)など業界団体と関係が深いものの、今回の案件について規制法規の執行権限を持たない経産省は「再犯防止のための、業界内の仕組み作りに協力する」(経産省)と言う。

(続きは「日本ネット経済新聞」5月19日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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